受験シーズン真っ只中ということで、ラジオから流れてきたのは、キングオブ応援ソング、大事マンブラザーズの「それが大事」。
この歌のAメロは、こんな歌詞になっています。
❝高価な墓石を建てるより 安くても生きてるほうがすばらしい❞
作詞 立川俊之 https://www.uta-net.com/movie/2883/
こういう商売をしている身としては、高価な墓石が悪いわけじゃないとか言いたくなりますが、Bメロにいくと、一転してその「墓石の価値」を伝えてくれるフレーズがでてくるのです。
❝ここにあなたが居ないことが淋しいのじゃなくて
ここにあなたが居ないと思うことが淋しい❞
作詞 立川俊之 https://www.uta-net.com/movie/2883/
『どこに「墓石」が出てくるの?』と思ったあなた。
言葉でこそ出てきていませんが、ここで歌われていることは、墓石という存在と同じ意味合いなのです。
歌がイメージしているのは、じっさいに現存している人のことですが、ここに死をあてはめてもちゃんと通じるのです。
現実の世界には、もうその人はいないけれど、そこにその人が居ないと思うことが淋しいことであり、あなたが生きている限り、その人は生き続けている。
亡き人が眠るお墓が、そう思わせてくれる。
そんなふうにも受けとれますよね。
死がテーマになった歌で大ヒットしたといえば、「千の風」。
私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています
訳詞 新井満
この歌詞も、「死んだら千の風になるのだから、お墓はいらない」という話になるとかならないとかで、ヒット当時はヤキモキしていましたが、Bメロ、Cメロにいくと歌詞はこうなります。
秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る
私のお墓の前で泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を吹きわたっています
訳詞 新井満
お墓の前で「あの人がいないと嘆き悲しむ人へ」、秋の畑の光、冬の雪、朝にさえずる鳥、夜の星など、あなたが感じるすべてにわたしは生きていると伝えている。
「それが大事」のBメロが、「目の前にその人が居ないことが悲しいのではなく、居ないと思う事実しか見えていないことが悲しいこと」だと歌い、「千の風」では、じっさいにどこに居るのかを具体的にあげ、「あなたが五感で受けとれる体験にわたしは生きている」と伝えています。
「千の風」は、死から生をみることを、「それが大事」は、生きることの普遍性(悲しみや淋しさをふくむ生)は、死の普遍性(二人称の死)と通じることを歌っている。だからこの2曲は、今も口ずさんでしまうほどに大ヒットしたのではないかなと思いました。
目に見えないことを感じとる力、イマジネーションを、いかにより良く生きるために発揮できるか。
それが大事で、お墓がそういったことを教えてくれるものであることを、わたしは歌ではなく、別の方法で伝えていけたらなと思います。
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