お墓が古いので建て替えなくてはいけないとお考えの方は少なくないかもしれません。
ひと昔前であれば、墓石に使われている石の質のこともあり、リフォーム事例はそれほど多くありませんでした。しかし、最近ではさまざまな要因もあり、リフォーム事例が増えてきています。
お墓の建て替えの場合、古いお墓を解体して建て直すことになるので、まっさらな墓地に新しくお墓を建てるケースよりも費用がかかってしまいます。ここ最近の円安傾向でお墓の費用が以前よりも高くなってきていることもあり、予算を軽く超えてしまうこともあるでしょう。
墓石をリフォームするメリットは単にそのときの出費を抑えられるだけでなく、各世代で負担を分担でき、お墓を長く維持できる点にあるのではないかと思うのです。
できる範囲のこまめなリフォームを世代ごとにおこなう事例
こちらは一番上の棹石だけが、別のご家族によってすでにリフォーム済みになっているお墓です。
古いお墓の部分リフォームとして一番先に手をつけるのが、この棹石のリフォームです。
棹石は文字が彫刻されていることもあり、いわば一番大事な石といえるので、まずはここを新しくしたいと考える人も多いです。
しかし、長い年月を経ると気になってくるのが納骨堂(納骨室・カロート)です。
今回のお客さまも、
「ここの墓地はヘビが多くて。以前、納骨堂を見てみたらヘビがいて…」とポロっとこぼしておられました。納骨堂が古いと隙間があるので、墓地によってはヘビの住処になってもおかしくないかもしれません。
そんな場所にあらたに納骨するのは偲びないのが人情というもの。
また納骨堂だけでなく、土間コンクリートのひび割れも目立ち、そこから草が生えてきています。棹石はせっかく新しくなっているのですが、他の部分の劣化の方が目立ってしまっていますね。
ということで、今回は棹石から下の台石と納骨堂と香炉を新しくして土間コンクリートを塗り替え、横に据え付けられている古い小さなお墓をクリーニングするご依頼となりました。
また納骨堂を新しくするにともない、納骨堂を整理するために古いご先祖さまを土に還す作業もおこないました。
石種にはこだわらないということでしたので棹石と同じ石種ではありませんが、リフォームの完成です!
お墓のリフォームもこのように世代ごとにおこなえば、維持する負担がそれぞれの代で分担できるメリットがあります。大規模なリフォームをする必要がなくても、クリーニングや金具交換といったこまめなメンテナンスも長い目でみると世代間で負担を分担しあえることに繋がるでしょう。
リフォーム事例が増えてきたことで、ひと昔前よりも施工技術が高くなっていることもリフォームの需要を後押しする要因になっているともいえます。
リフォームされたお墓を見ると、次の代、またはその次の代への想いがつながっているようで、よりご先祖への親しみがわくように感じるこのごろです。