たまたま目にしたこちらの調査結果。
世代間で大きなギャップ、親世代と子世代のお墓に対する意識の差
特徴は親世代と子世代を分けて調査していること。
墓石調査でよく見かける、幅広い年代に聞いて、年代別の割合を円グラフで示しているものよりも、よりわかりやすくなっています。
墓石の管理が大変-親世代の声に耳をかたむけすぎか?
この調査で目を向けるべき点は、世間やメディアでよく聞かれる「墓石の管理の大変さ」についてです。このために、たとえば納骨堂や樹木葬などの合葬慕、散骨といった新しいカタチの埋葬が取り上げられるようになってきています。
子世代が最も重視する項目は「アクセス」で14.0%の人が回答した。その次に重視する項目が「費用」の13.7%。また、親世代が3番目に重視すると回答した「管理の手間」に関しては、子世代では5番目に重視するという結果で差があった。
みんなのライフハック@DIME「世代間で大きなギャップ、親世代と子世代のお墓に対する意識の差」より引用
子世代は親世代とくらべて「墓石の管理の手間」を気にしていないことが、このアンケート結果からもわかります。
一番気にしているのが「アクセス」だというのも実感として理解できます。
子世代は親世代と違って、仕事に育児に家事にお付き合いにと忙しい。それを妨げるものを避けたいので、お墓までのアクセスが良いことを条件に挙げるのでしょう。
子世代が「費用」を最も重視していないのは、じっさいにお墓を購入するのは親世代の場合が多いからかもしれません。自分たちが購入する親世代にとっては、「費用」が最優先事項になるのは当然でしょう。
墓石の管理の大変さについて騒がれるようになってから、現場にいる人間としては「ん?どこが?」と思わざる部分があったのも事実。
とくに富山の墓なんて、納骨室は観音開きの扉つきなので納骨も自分たちで出来てしまうし、墓誌の設置も少ないので、亡くなった方の法名(戒名)を彫る必要の墓もそう多くありません。土台はコンクリートや石で立ち上がっているものがほとんどの防草ずみのお墓が多いし、建ててしまえば人手いらずで、建立後は石屋さんの出番が少なくなるのに(泣)、しかもスナダ石材で建てさせていただいた墓の多くは、硬い石をしっかり研磨してあるので、何十年経ってもピカピカのものが多いので、墓そうじもラクなはず。
ということから、地域差もあり、墓石の管理が大変というのは、腑に落ちてない部分がありました。
また、じっさいに親世代は夫婦どちらも自分が死んだら散骨でいいと考えていたが、子世代は子どもと先祖の墓参りをとおして絆やつながりを育みたいと考えていた、というエピソードを聞いたことがあります。
親世代がこれまでの家のお墓をとおして得た体験と、子世代のそれがそもそも異なっている、ということです。
親世代は何らかの理由、たとえば家族、親類との関係や宗教的なつながり、墓石そのものの質といったことにより、墓はめんどうなものという経験をしてきている場合があります。
しかし、子世代はそういっためんどうな体験をしておらず、親から子、孫への直系的な三世帯のつながりの墓を愛おしい存在ととらえている人も少なくありません。家の墓をパワースポット的にとらえ、慣習的なものだけでなく、精神的なよりどころとして墓を位置づけている人もいます。
ある意味、めんどうなことは親世代が経験してくれたことで、純粋に墓という存在を見れる側面があるのかもしれませんね。
また墓の質においても、先にあげた「富山の墓の構造」といった面からも管理はどんどんラクになってきているので、若いということもあり、手間をそれほど感じていないといえます。
墓の管理についてのサービスも増えてきていることもあり、そういったことを上手に利用しながら、お墓と付き合っていくことができるのが子世代にとってのお墓事情であり、親世代とは異なるということを理解しておきたいですね。