このたび、オリジナルストーリー「墓ありじいさん 墓なしじいさん」が収録された「おはかの手帖」をつくりました。
あのベストセラー「金持ち父さん 貧乏父さん」のタイトルを、自分の業界で使ったらどうなるかと考えて創作した「墓ありじいさん 墓なしじいさん」。お墓が必要になった主人公のじいさん(→墓ありじいさん)と、その友人のじいさん(→墓なしじいさん)が、お墓をとおして物語を紡いでいく内容になっています。
ちなみに「金持ち父さん 貧乏父さん」はしっかりと読んだことがありません(笑)
この「墓ありじいさん 墓なしじいさん」の物語をもとにして、自分たちの物語をつづるように次の世代に引き継いでいけるものがあったらいいのではないかと思い、書き込めるようにしたものが「おはかの手帖」です。
「墓ありじいさん 墓なしじいさん」の物語は、第5章まであります。
なぜ、「おはかの手帖」をつくったのか?
「墓ありじいさん 墓なしじいさん」の物語を創作し、「このストーリーを一人でも多くの人に楽しんでもらえたらいいな」と想ったことがそもそもの発端ですが、最終的に「オリジナルストーリー×手帳」というカタチにしたのは、自分自身の原体験があったから。
これは、私がまだ嫁ぐ前にスナダ石材が販促品としてあつかっていた、いわゆる「エンディングノート」。今でこそ終活が認知され、「エンディングノート」の存在も一般的になりましたが、20年ほど前の当時は、まだその存在もそれほど知られていないはず。おそらく新しいもの好きな先代が取り入れ、お客さまにお配りしていたのでしょう。
名称もまだエンディングノートになっていなかったのか、「最後のお願い」とタイトルがついたノートになっています。
中身は葬儀や相続、そしてお墓に関するページがあり、約20年前に亡くなった義祖母が、メッセージが書けるページにじっさいに記入していたものが仏壇の引き出しに保管されていました。
❝泰和君(夫・現三代目)の嫁さがしも急がなくては。すぐ30代になるからね。昔のことわざにもあるように、わらじ千束履く心がまえで嫁さがしをしてください。私が死んだからといって、遠慮して期日を延ばしたりせず、めでたい事は急がなくては。私は喜んで天上界から見ています。❞
「わらじ千束はく心がまえ」ということわざは知りませんでしたが、一歳年上の女房は金のわらじ(鉄製のわらじ)を履いてでも探せ、というのは聞いたことがあります。
祖母の願いがつうじたのか、夫は無事に一歳年上の女房(私)を探しあてたわけです(笑)
これを読んだたとき、私のことを探しあてるように、私を迎え入れるように願っていた人がこの世に存在していたという、ある種の運命的なものを感じました。
今思えば、たしか当時はまだ子どもがおらず、心のどこかで、自分がこの家にいても良いのか、と自身の存在価値が揺らいでいた時期でもありました。
そんなときに、この残された言葉と託された願いを見つけたことで、「自分はここにいていいのだ」とはじめて自分を認めることができたのです。
その後はご存知のとおり、持ち前の図太さが現れはじめ、嫁とは思えないほどの図々しさを発揮しています(笑)
残されたメッセージが、この世にいない人の存在を感じさせ、そして、その残された言葉が私を動かす。そうした原体験が、そのまま「お墓」という物体と結びつき、この仕事をとおして伝えていく使命を感じて、今の自分があります。
だからでしょうか。創作したストーリーが誰かのあらたなストーリーに代わり、さらにその人のメッセージや願い、想いが伝わるために「手帖」という形式に落着きました。
今まではお墓がその役割を担えればと、「想いをカタチにする」お墓づくりを一生懸命に提唱してきました。もちろんその想いは今も変わりませんが、「お墓×ノート」が私の希望となったように、「お墓×手帖」があなたの希望となり、原動力となるかもしれない。
そういった想いをこめてでき上がったのが「おはかの手帖」です。
手帖といえば、宮澤賢治の詩「雨ニモマケズ」は、彼が残していた手帳に記されていた言葉であり、それを遺族が見つけ、世に出したものです。
実は、この手帖のガイドラインでも宮澤賢治について触れているのですが、いつかあなたの大切な人が、あなたの残した言葉に出会う、そのときのために、この手帖を使ってほしいのです。
私がつくったストーリーは、カタチ上では「完」を迎えますが、その後、この手帖を使うことであなたの手で引き継ぎ、そして、またあなたの大切な人に伝えていくことで、はじめて完成すると思っています。
「おはかの手帖」は、近日中に一冊 1,500円で販売を開始します。
販売の前に、この手帖をじっさいに手にとり、読み、そして綴る体験ができるモニターを募集します!
モニターの条件として、
・ストーリーを読んだ感想
・記入ページのうち、いずれかのページを記入(一部でOK)をお願いしたいと思います。
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一人でも多くの人に手にとっていただき、何かを感じとっていただければ、こんなにうれしいことはありません。