先々週、お父さまの一周忌に合わせてお墓の建立をさせていただいたお施主の納骨法要が無事に終わりました。
隣に親戚のお墓が建っているので、基礎工事は不要。ご自身はそのお墓に入るかわからず、「父と母が入るくらいの小さなお墓でいい」というお話でした。
最近の傾向として、「子どもたちは一緒に住んでいないし、将来このお墓に入るか分からないから、大きいのはいらない」とのお声が多くなってきました。
富山県のお墓はお骨壺も大きく、それを納骨する納骨堂が地上にあるのが基本形で、さらにその上に石碑を乗せることを考えると、地下納骨でない限り、墓石を小さくするにも限度があるのが実情です。
また、墓地の敷地面積が大きいと、いくら墓石を小さくしても、土台コンクリートやそこに貼る石などは、墓石が大きかろうが小さかろうが変わりがないので、敷地が大きいとそれなりの費用はかかってしまいます。
墓石そのものについても、小さくても基本の構造を維持しないといけないので、決して小さければ小さいほど安くなるわけではないんですね。
今回は、墓地の敷地がじっさいに大きくないこともあり、このような事情をご説明して、なるべくお施主さまの意向に沿うように、不必要に大きくしないように計らいました。
左側に建っている親戚のお墓よりも小さく、ということで、スナダ石材の「小さな墓シリーズ」を小さく作り直しています。
既製の図面でも敷地内に収まるのですが、そのままだと隣の墓よりも気持ち程度高くなるので、ひと回り小さい図面をあらたに起こしました。
全体的にほんの数㎝小さく(低く)なるだけなので、金額的には数万円しか変わりません。従来の感覚であれば敷地内に収まるのに、わざわざ石の才数を小さくすることを自ら進んでしなかったと思いますが、それでは今の時代にそぐわないだろうと、ほんの少し小さくする手間を怠らないようにしました。
できあがったお墓の納骨堂は観音扉式ではないので、納骨時は少しコツが必要ですが、今回ははじめての納骨なのでお手伝いさせていただきました。
ビールケースは、墓碑に巻いたサラシをとるための台の代わりです。決して飲んだくれてるわけではありません。これ、軽くて持ち運びしやすいんです(笑)
当日はわたしは子どもの用事のため、お立ち合い出来なかったのですが、夫(社長)の話によると、皆さん「いい墓が建った」と喜んでおられて、ご親戚もたくさんいらっしゃっていたそうです。
納骨をするときにはお母さまが涙を流されていたと聞きました。
一年間、お父さまと一緒に家で過ごされていたことを想像すると、納骨は二度目のお別れなのだなとあらためて感じます。
お墓はご自宅から遠くないこと。周りにはご兄弟のお墓があること。
お盆の墓参りには、ご親戚が周りに建つ墓と一緒に手を合わせていかれるので、きっと寂しくないだろうと想像します。
小さなお墓でも、たくさんのご縁ある方たちに囲まれるであろうお墓を建立させていただきました。