面白い記事があったので、ご紹介します!
メルカリが「古着」を死語にした。アーカイブを愛する私たちの感性は、時代を飛び越える
記事内では、現代の若者は「アーカイブを愛する」思考にあり、このような時代を代表するプレイヤーとして「Spotifyを代表する音楽系サブスクリプションサービス」と「メルカリ」が挙げられています。
“音楽のサブスクリプションサービスによって、新作と過去の名作の差は、どんどんなくなりつつある。あいみょんの新作を聞くのと、Mr.Childrenの名曲を聞くのは、「TOP→曲名を検索→選択→再生」で、全く同じステップだ。
(中略)
懐かしい音楽をそこで見かけることは珍しくない。LINEには、自分のBGMを設定できる機能があるが、そこに設定されているのも新曲ばかりというよりは、過去の名曲が並んでいるのをよく見かける。”
「Agenda note」
フリマアプリの「メルカリ」では、「古着」という概念がなくなり、「メルカリで買ったイケてるビンテージ」という価値観ができあがりつつあります。
“現代に流行しているサービスによって、私たちの感性は「新しいものも古いものも関係なく、良いものは良い」と考えるように教育されつつある。私たちのアンテナは、時代をゆうゆうと超えるようになってきているのだ。”
「Agenda note」
「古さ」は決して否定的にとらえられるわけではなく、肯定的にとらえられる土壌ができつつある。それが、わたしたちが生きる「今」という時代なのかもしれません。
古墓は死語になる!? 文脈をもつ墓はビンテージとしての価値がある
お墓も時間と時代を経るほどに、価値が上がる存在だということを忘れてはいけません。
お墓は音楽のようなコンテンツではないし、古くなったお墓を売っても誰も買ってくれませんが、古ければ古いほど、時代や文化を記録しているアーカイブとしての価値があります。
そういえば、メディアアーティストの落合陽一さんも、NewsPicksの「WEEKLY OCHIAI」という番組で、テーマこそ違いますが、「本をアップデートせよ!」のお題で、「本のアップデートは、石版にすること。墓だよ」と言っていて、示唆的に感じました。
お墓の文脈は、時代や歴史だけではありません。
以前のブログに、墓石は不動で大きく確固たるイメージがあるが、じつはとても脆い存在だと書きました。
石が石になるまでを逆にたどっていくと、気候や地盤の変動に大きく左右されることがわかります。
自然の変化がつくった「石」は、そのとき、その地盤の環境が違っていたら、違う石になっていたかもしれない。わたしたちも同じで、何かが違っていたら、ここに存在していない、脆くて儚い存在だと。
仏教思想に、「世間無常・世間空虚」=『一切の存在は因縁によって生滅変転する(仮有 けう)ものであって、それ自体に常住不変の実体(実有 じつう)はない』がありますが、墓石はまさにこの思想を体現する、とても哲学的な存在でもあります。
こういった文脈があるからこそ、墓は時代を超えて大切にされてきたのでしょうね。
音楽のサブスクリプションサービスやメルカリが、独自のサービスをとおして、古くても良いものは良いと感じられる土壌をつくったように、わたしたちもこういった価値を、自分たちのサービスをとおして自然に伝わっていくようにしていきたいものです。