人は「跡」を追う 大雪が教えてくれたこと

豪雪からはじまった2021年の日本海側、北陸地方。

富山県の積雪は59豪雪にならび、隣接する高速道路では立ち往生する車両の救助に自衛隊が出動する事態となりました。

1m以上の積雪になると、除雪してないところは道が消えてしまうので、歩行するにも車を運転するにも、進むのが非常に困難になります。

そんなとき、無意識に「足跡」や「わだち」といったを探し、その跡を追っている自分に気がつきました。

先にその道を通った人や車の跡が見えると、ここは通ってよい道なんだと安心でき、いわば跡が目印になるんですよね。

誰も通ったことのない道を進むときに感じる不安は、雪道のように物理的な道に限ったことではありません。

たとえば、前例がない道をいくとき、自分がその先頭に立たなければいけないときは、足跡がない雪道と同じで、深い雪の中にはじめての一歩を踏み出すような状況といえるでしょう。

それでも、そこに一歩一歩足跡をつけないと進めず、そこに道ができたことで、後に続く人の道しるべにもなるのです。

雪道にハマりそうになって思ったこと。

それは、

「本能的に人は跡を追う習性がそなわっているのかもしれない」

ということです。

この習性のようなものがあるから、人はお墓をつくってきたのかもしれません。お墓というのは「祈りの手跡」が残っている、心の道しるべの一面があります。

雪道で誰かがつけた跡を探す行為は、お墓に刻まれた軌跡、そこに人が集い手を合わせた形跡をたどる感覚に近い気がします。

そして、その跡があらわれたときに安堵する感覚も。


生きたからこそ、つけられる跡。

その跡に続き、また違う跡をつけられるのも生きているからなんですよね。




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