埼玉県にお住まいのNさまよりいただいたご相談です。
「富山にあるお墓のお骨を東京の霊園へ移したいのですが…」
富山市にあるお墓は明治時代のお墓になり、すでにみなさまが首都圏へ移り住んでいるので、このお墓をしまって、ご先祖さまのお骨を東京で建てたお墓に改葬したいのですが、一つ問題があるとおっしゃるNさま。
富山の実家の宗派と現在の宗派(東京でお墓を建てたお兄さまご家族)が違うという問題です。
富山では代々続いているお家ということもあって、ご先祖さまは浄土真宗なのですが、新しいお墓に入っているお骨はすべて天台宗を信仰していた方になり、現在の墓守をされている方(お兄さまご家族)も天台宗を信仰されているとのことです。
「そこのお墓に実家の先祖のお骨を納骨してもいいんでしょうか…」
生きている人が納得していればお墓で眠る人の宗派が別々でも問題なし
ご家族全員が気にされないのであれば、宗派が違う人を同じお墓に納骨しても問題ありません。
しかもお墓が建っている霊園が寺院墓地ではないので、みなさまが納得されているのであれば大丈夫です。
もし、これが寺院墓地であれば、住職に相談する必要があります。なぜなら、寺院墓地というのはその宗派の檀家のための墓地であるので、とうぜんその墓地のお墓に納骨されているのはその宗派を信仰していた人で、墓参者も檀家になるからです。
ちなみに浄土真宗の宗祖である親鸞聖人は、お墓については何も言及していないとのことです。親鸞聖人だけでなく、お釈迦さまも同じです。ですから、浄土真宗のご先祖さまが別の宗派の方と同じ墓に入っても、その家の方が罰が当たるとか、そういったことを心配される必要はまったくないでしょう。
浄土真宗では、「信心即往生」といって念仏を唱え信仰している人は、すぐに浄土へ行き成仏するとされるため、すでにもう仏さまになっているので、お骨の安置場所については生きている人に任せられていると考えて良いでしょう。
また天台宗では、「さまざまな仏さまは釈迦牟尼仏が、縁によって私たちを救うために姿を変えて現れたもの」という考えが根底にあり、浄土真宗のご本尊である阿弥陀如来も等しく尊信しますので、宗派は違えどルーツは繋がっているといえます。
両家墓でも気になる宗派の違い
逆にその宗派が嫌で、絶対に同じお墓に入れたくないというケースもありますから、お墓をお参りする方がそこにこだわらなければ問題ないでしょう。
墓守がいないために両家墓になる場合でも、両家の宗派の違いが出てくる可能性がありますが、ご家族がどうとらえるかが一番大きいのではないかと思います。
お仏壇とは違い、お墓に関しての宗派によっての決まり事は石に彫る文字くらいなので、これもその宗派の言葉が彫ってなければ気にする必要はなくなります。
ようするに、供養する人がどうしたいのかが一番大切になると言えます。