今年のお盆のお墓参りも暑かったですね。我が家は、申し合わせたわけではないのに、親戚とお墓で鉢合わせし、数十年ぶりに会ういとことその子どもたちに驚くなどして、お墓はこうした喜ばしい偶然を運んでくれるものだなとあらためて感じたしだいです。
遠近とわず、多くの人がお墓参りにやってくるお盆ですが、数年前にお墓を建てたお客さまからお盆が終わるころに、毎年必ずご連絡が入ることが恒例になっています。
それは、
「ろうそく立ての金具が割れている!」
というもの。
電話をうけたスナダマンこと社長が、「○○さんからだ。まさか、また割れたのか?」とつぶやきながら電話をとり、語ること30分以上。
「こんな毎年割れるというのはないですよ~」という声が聞こえてきます。(←怒っているわけではありません。家も近く、むしろ仲が良いお客さまで、後半は墓とは関係ない世間話も聞こえました)
電話が終わり、スナダマンはこう言いました。
「ろうそく立てが毎年割れる理由がわかった」と。
それでは、スナダマンがおこなった謎ときを説明しましょう。
毎年、なぜ同じ墓のろうそく立ての金具が落下し破損するのか?
お客さま(Kさま)がおっしゃるには、とにかくたくさんの墓参者がこのお盆に墓を参っていくそうです。
おそらく次から次へやってくる墓参者は、まだ熱が冷め切らぬろうそく立ての風除けを外し、持参したろうそくに灯をともそうとするのでしょう。ついさっきまで燃えていたろうそくの風除けは思いのほか熱く、手から落下する、というのがスナダマンの推理です。
これまでは「カラスがいたずらしているのかもしれない」と想像していましたが、いくらカラスが利口だからといって、毎年Kさまのろうそく立てを破損させるのは異常です……。
動物でないなら「人間」だろうとなり、ではなぜ人間が?と推理をはたらかせ、ポイントとなったのが「墓参者の多さ」でした。
そして、おそらくろうそく立てを破損してしまっているのは、毎年「別の人」であろうと。
一度、経験した人は同じ失敗をしないはずなので、あらたな人がたまたま同じ状況に遭遇するのではないかというわけです。
お墓参りは同じ日や時間帯に重なることが多いと思います。冒頭でご紹介した、私たちが偶然親戚と鉢合わせした話も、例年は早めに参ることが多いのですが、今年は15日にお墓参りにいったせいではないかと。例年、同じお墓に参りに来ているのに会わないのは日がずれていたからで、同じ日に親戚がお墓参りに来るのであれば、むしろ出くわすほうが自然なのかもしれません。
そう考えると、たしかにお墓参りの日や時間帯(午前or午後のあまり暑くない時間帯)が重なるのはとうぜんで、墓参者が多い墓ほど、つねにろうそくに灯がともっている状態になるといえます。
ステンレス製の風防付きのろうそく立ての取り扱いの注意点
件のろうそく立ては、耐熱ガラス製で上部と下部がステンレス製になっています。
ステンレスは基本的には熱伝導率が低いのですが、保温性は高いので、ある程度熱がこもった状態になると、ろうそくの灯が消えていてもまだ熱さを維持している可能性があります。
そのため油断してしまい、思ったより熱くて手から放してしまうのではないかというのが今回の推理です。
次回のニュースレターではこのことについて記載し、墓参者の火傷や破損につながらないよう注意をうながすつもりです。
同じようなろうそく立てを使用されている方は、お盆やお彼岸のお墓参りが多くなる時期には十分にご注意ください。