厚生労働省が行う調査、人口動態統計によると、2040年までの年間死亡者数は、年々増加するとみられ、「多死社会」に直面している日本。
そこで、われわれ業界ではどんなことが起こっていると思いますか?
1.お墓がたくさん建つ
2.納骨件数が増える
答えは、2.の納骨件数が増え、お墓の建立数は死亡者数とは比例していません。それもそのはずで、お墓には平均で5~9体の骨壺が入るため、死亡者が増える=お墓が建つ数となならないからです。
では、納骨件数が増えることは、わたしたちの仕事にどのような影響があるかというと、そこは地域差もあり、仕事に影響がある場合もあれば、ほとんど影響がない場合もあります。
スナダ石材ではどうかといいますと、基本的にはあまり影響がありません(笑)
いや、そこは笑っている場合ではない。
他地域では、石材店がお手伝いしないとお墓に納骨できないところもあり、そういった地域の石材店は納骨日が重なったりと忙しい時期があります。
また、墓に備えた墓誌に戒名(法名)を彫るなどの追加彫りの仕事が多くなるといったこともあります。
スナダ石材ではどうかといいますと、墓に墓誌をつける割合はそれほど多くないので、追加彫りに追われるということもありません(笑)
いや、「笑っていいとも!」も終わり、そこは笑っている場合ではない。
なぜ、このように死亡者数が増えたことで、忙しくなる石材店とそうでもない石材店がいるのでしょうか。
昨今、よく見かける「自己責任論」で、会社としての努力が足りないから?
それもまったくないとは言えませんが、もっと単純で明快な理由があるのです。
富山の墓石の納骨堂は「部屋」である!
富山県では、納骨を石材店に頼む人はそれほど多くありません。なぜなら、 富山のお墓は基本的には「自分で簡単に納骨できるような墓」に作られているからです。
納骨堂は地上にあり、前に扉がついていて、その扉は観音扉式になっているので、誰でも簡単に開けることができます。(扉には扉押えがつきます)
ようするに、納骨用のお部屋の扉を開けて、簡単に納骨できるのです。しゃがんで入れないといけないこと、納骨堂が他の骨壺でいっぱいになり、整理する必要がある、といったことで石材店に頼まなければいけない方以外は、普通に納骨できるように作ってあります。
こちらの写真は、古い墓石の納骨堂を扉式にリフォームした事例です。
古いご先祖は下で、新しい人は上に納骨できるようになりました。まるで、一階に親世帯が、二階に子世帯が住む二世帯同居のような感じです。
以前のままであれば、納骨は石材店に頼むか、数人がかりで納骨する必要がありましたが、棚もつけて、簡単に納骨できるようになりました。
ちなみに、このように骨壷に戒名や没年月日が書かれてあるので、骨壷の破損や文字が消えていない限りは、納骨堂を開けば、墓に眠っている人の名前が判別できるため、他地域の墓と比べ、墓誌をつける人が少ないのは、このせいもあるだろうと思われます。
また、「日本人なら引き戸だろ!」という思いがあったのかどうか、こんな引き戸式の扉の納骨堂を作ったりも。
写真ではわかりづらいかもしれませんが、
完全に部屋の感覚です。
さすがは持ち家率のトップを誇る富山県らしいお墓の納骨堂といえます。
富山のお墓は墓守する人にやさしい!
納骨堂が部屋のようであることで、納骨しやすいお墓となっているのが富山のお墓です。
ということは、石屋さんの手を借りなくても自分たちで納骨ができるということです。後々のお墓を守る「まもりびと」にもやさしい仕様になっていますよね。
富山のお墓に納骨する際の注意点
お墓によっては納骨堂の扉前に香炉を置いてある墓もあるので、それをどかさないと扉が開けないものもあります。
この香炉や花立をどかすときに、お墓の本体に少しぶつけてしまったり、花立や香炉に傷がついていしまうケースがあります。
ほんの少しかすった程度でも、石と石の衝撃は強く傷がつくことが多いので、細心の注意を払っていただきたいなと思います。
この香炉は男手があれば持ち上げることはできますが、女手しかない、また高齢の方しかいらっしゃらない場合は、いつでも納骨のお手伝いをさせていただきます。
また古いお墓であれば、納骨堂に扉が付いていないタイプのお墓も多く、これは他の地方と同じで石屋さんの手を借りないと納骨が難しい場合があります。
そういった場合もお手伝い(納骨立ち合い 1式 5,000円~)させていただきますので、どうぞお声をかけてください。