お墓の納骨堂にヒビが入り、納骨堂内に水が入るようになったというお悩みを持っていたNさま。
さっそく、お墓が建っている墓地へ診断に!
古いお墓で、 扉式の納骨堂ではなく、香炉が納骨堂の扉押えになっている構造でした。
香炉を動かすと納骨堂の中が見えるようになっている、昭和の時代に多く建ったお墓。今でも墓地には必ずこのタイプのお墓が、少なくとも1/3は建っています。
Nさまのお墓の納骨堂は、それぞれの石が一枚の石でなく、石をつないである「合わせ」になっていて、そのつなぎ目がズレて隙間ができ、その隙間がどんどん大きくなってきている状況でした。
今のお墓であれば、合わせ型の納骨堂にもしっかりとステンレス製の金具を使用するなど、石がズレないよう工夫してありますが、当時はそういった施工技術がなかったので、このように年数とともに石がズレてしまうんですね。
「お墓のカルテ」の登場!
ということで、ここからはお客さまからお話をうかがう「問診」をスタート!
納骨堂のリフォームをしないといけないのは間違いないのですが、
①納骨堂を新しく作り替えるのか、
②応急処置として、納骨堂のズレを防ぐのか
を聞き、お墓のカルテを作成していきます。 (「お墓づくり」となっていますが、お墓全般のお悩みを記入していきます)
そうするとNさまは、「これから若い人がお墓を守っていくときに、納骨堂の中をすぐに開けれないのは困るかな。そして、ここの周辺には断層が走っていると聞いたから、基礎もヒビが入っているので新しくして丈夫にしたい」とおっしゃいました。
ということで、①の納骨堂を新しく作り替え、今のカタチの扉式の納骨堂にすることになりました。
もし②の納骨堂のズレを直すを選んだとしても、お墓を組み直す必要があるので、それなりの工事は必要になります。
お墓のリフォーム。墓前法要からの基礎工事
お見積りの確認していただいて、リフォーム工事に入る前に、お墓を外さないといけないこと、またご先祖さまのお骨の整理もあったので、遷仏法要をしました。
お骨壺には「とやま大空襲」の日付けが書かれたものもありました…。あの大戦で命を失った方もいたけれど、『こうして小さな「まもりびと」もいらっしゃいますからね~』とそっと語りかけます。
法要後は基礎工事に入ります。
真ん中の穴は、「息抜き」といって(別称あり)、ここにお骨を還すことができます。ちなみに古いお墓の場合、この息抜きを作ってないことが多く、Nさまのお墓も納骨堂内はコンクリート製になっていました。
古いお墓もクリーニングでキレイによみがえる!
墓石の上の三段は黒ずみがあったのでクリーニングをすることに。
石は韓国製のものだと思います。
こちらのお墓は、Nさまのお母さんが頑張って建てられたお墓なんだそうです。だからすべてを新しくするのでなく、お母さまが建ててくれた三段は残して、下の納骨堂はその次の代の方と、それぞれの石にもそれぞれの代の想いが加わったリフォームとなりました。
そして、お墓のリフォーム完成後は、入仏式とお骨壺を納骨する納骨法要をあげていただきます。
納骨堂の中が明るくなった!
気になる納骨堂の中ですが、扉がぎぃ~っと厳かに開くと、そこは以前のように日の光が入らない暗い空間ではなく、明るいお部屋になっていました。
古いご先祖さまのお骨は下にまとめ、新しい方は上の棚において、上の段はこれからのために空けておきたいというご要望でしたので、このように納骨いたしました。
今回、上の段の方の寸法を大きくとってあるので、富山の縦長の骨壺でも納骨しや すいようにカスタマイズしてあります。
お客さまも納骨堂を自分の手で開けれることにいたく感動しておられました。
これまでは一人では絶対に開けれませんでしたからね。このお墓なら、なにかあっても次の代に残せるという安心と、ご先祖さまのお骨をキレイに整理できたことで「なんか気持ちがすっきりした」と安堵していらっしゃいました。